◆湖面の写り込みを活かして画面を上下対称にまとめ、日本を代表する山である富士山の風景を見事に表現しています。青い色に調整して静謐さを強調していることも効いていますが、同時にその静寂のなかにも動感があります。ハイライトからシャドウにかけての濃淡もきれいに表現されています。(福田健太郎)
◆この方はこれまで限りない枚数の富士山を撮られていると思いますが、富士山をまずご自分の心のなかで受け止めて、自分らしい写真として伝えていること、それが一番いいと思った点です。(山本まりこ)
◆ただ単に五重の塔を撮ってしまうと面白くないところを、町の姿が入ってくることで場面を盛り上げてくれています。これはきっとカラーでもきっといいのでしょうけれども、モノクロにしたことで古都の表情がグッと引き出されてきたのだと思います。(福田健太郎)
◆完成しきっている写真なので、素晴らしいの一言です。(山本まりこ)
この作品は、京都嵐山の近くにある岩田山での光景です。大寒前日と云うこの時期はまだまだこれか…
やっと買えたα77片手に夜の観覧車と出会いました。
新婚旅行で行ったタヒチのタハア島で撮った夜景です。水上コテージから見えるボラボラ島。満天の…
南アルプス北沢峠の森です。朽ちて倒れた木の上に新しい命が育っていました。
昨年兼六園に行った時の1枚です。残念ながら雨でしたが、きれいな菊桜がとれました。
お地蔵さんが身に着けているものが赤色で目立ったため、「ピクチャーエフェクトのパートカラー…
街角の老夫婦。荷物を抱えるご主人。そして、一歩後ろを着いていく奥さんの姿が印象的でした。
たくさんの人で賑わう休日の新国立美術館にて、一瞬の静寂を切り取りました。
静岡県清水吉原で、幻想的な風景に出会えました。
大阪駅上の改札口から北側に降りていっているときに、梅田スカイビルの窓ガラスに建設中のビル…
台風の直後、増水した渓谷内に射した光芒です。東京都 海沢渓谷ネジレ滝
日本の美
葛西臨海公園から対岸のディズニーランド方面の朝焼けを写していたらカモメの大群が、江戸川を北…
瀬戸内の穏やかな海に一隻の漁船が…エンジン音だけがポンポンポンポンと小さく聞こえてきました。
早朝の気温がマイナス10度ぐらいまで下がったときに、霜の結晶がガラスにできます。この氷の結晶…
大峰山脈から派生する稲村ヶ岳。女人禁制の山上ヶ岳のすぐそばにあって女性も登ることができ、な…
新緑の映り込みが風景に響く時でした。
綺麗な銀杏並木、ふと脚元を見ると、ひと粒の銀杏が。親木と銀杏が仲良く一緒に映るように撮りました…
◆皆さん、都市風景や自然の風景のなかにカメラを持って出かけて、琴線に触れる風景との出会いを充分に楽しまれているな、と感じました。梅から桜、秋の紅葉、そして樹氷の風景まで、そうとう厳しい環境のなかにも出かけて、いいシーンを撮っていらっしゃいます。写真はたくさん撮ることが大切だと思いますので、これからも、どんどん外に出て撮り続けていただきたいと思います。(福田健太郎)
◆「これ何だろう」と思わせるような、構図に工夫のある写真が多かったですね。どーんと正面から迫る写真もあれば、自分なりの形に注目して独特の形に切る方もいる。人それぞれの見方に個性があって、とても面白かったです。(山本まりこ)
◆うまい人から初心者と思われる人まで、幅広い応募がありました。うまい人は相当うまいですね。中にはカメラの性能を本当によく引き出している写真があります。腕を少し磨くと、同じカメラの同じ等倍の画像でも不思議ときれいになるんですね。そのように撮るためには様々なケースを経験するしかないんですが、それができています。アドバイスとしては「何を撮るか」と「どう撮るか」という二つの柱を意識すること。面白いものを見つけて自分なりに工夫するという、この二つを両立させるようにするといいと思います。それから、どうせ失敗するなら粗削りに失敗してほしい。「この人うまいね」と言われるよりは「面白いねぇこの人」と言ってもらえるような写真のほうがいいんじゃないかな。(小澤忠恭)
審査員講評
◆ジャングルをデザインした背景のなかに、スッと都会風の女性が入ってくるというミスマッチが目を引きます。良いシャッター速度とタイミングで、人物をはっきりと写し止めるのではなく、ハイヒールを止めながら身体はブレさせて、スピード感を出しています。これはおそらく、偶然とらえた一枚というのではなく、こういうふうに撮るとこうなるという構想があって試行錯誤を重ねた結果なのではないでしょうか。その発想力、イメージの豊かさの勝利ですね。(福田健太郎)
◆色の作りかたが、絵本を読んでいるような感じです。そこからいろいろ想像できるような、物語を感じさせる素敵な写真だと思います。(山本まりこ)
◆この人は写真がうまいだけでなく、とてもいい感覚を持っているのでしょう。人間を背景の動物と同等のシルエットにすることで、動物が生き生きと引き立っています。こういう写真は「いい光だな、こうやって撮ればいいな」というところに、人が来るのを「ちょっと待って」撮るわけです。これはそのちょっと待ち加減がすごくいい。3日も4日もここに通ったらダメです。自分のなかの「旬」をちゃんとつかまえて、生き生きしているうちに撮っていますね。(小澤忠恭)