春の朝 タンポポが目を覚ますと
桜の花びらが お空の天の川のように舞い踊り 流れていくのを見つけました。
それはまるで
タンポポの綿毛の誕生を祝っているかのようでした。
いつか あの天の川に行ってみたいな・・・
そう想いながら タンポポの綿毛の坊やは
旅立ちの日を待ち遠しく待っていました。
ねぇ!
どうしたら お空の天の川に行けるの?
どうやったら お星さまになれるの?」
「満月の夜にだけ目覚める
月見の花の精に 聞いてごらん」
坊やを可愛がってくれてるおばさんが
そう 教えてくれました。
やっと見つけた月見の花の精は
坊やに こう教えました。
「次の満月の夜、ほんの少しの間だけ
お空に昇れる光りの階段を
作ってあげましょう。
でも よくお聴き・・・。
星になれなければ
お前は消えてしまうんだよ。
それでも行くのかい?」
「おかあさん
ボク お星さまになりたい!
お星さまになって
みんなに幸せの粉を
お空の上から
いっぱいわけてあげたい」
綿毛の坊やは
そういって おかあさんに別れを告げ
光りの階段を昇っていくのでした。
どんどん どんどん 昇ります。
一生懸命 昇ります。
でも・・・
でも・・・
どんなに昇っても
どんなに頑張っても
お星さまになれません。
「ボク・・・
疲れちゃったよ・・・」
綿毛の坊やは 光りの階段の途中で
うなだれてしまいました。
坊やの涙で じぶんの体が
いまにも
融けてしまいそうになりました。
すると・・・・
「どうしたの?」
と 声をかけてきたのは
おなじ想いで ここまで昇ってきた
もうひとりの綿毛の子でした。
ふたりは力をあわせて
もう一度 光りの階段を
昇っていきます。
すると・・・
天の川が とつぜん虹色に輝いて
ふたりを包みこんだのでした!
ふたりは 天の川の虹に包まれ
重なりあって 星になりました。
綿毛の星の光りは
花火のようにひろがって
幸せの粉が キラキラと
地上にふりそそいでいくのでした。
真っ暗だった地上では
とつぜん 虹色の光りがふりそそぎ
みんなの心は優しい温かい気持ちで
いっぱいになりました。
綿毛の坊やを心配していた
あのおばさんも
虹の光りを受けて こういいました。
「あの子は 奇跡をおこしたんだね」と・・・
bravo!数
bravo! さらに
bravo! bravo! 済