※ 応募規約に照らし合わせた結果、審査結果発表後ではありますが、GOLD(優勝)の作品を入賞対象外としました。
横に長くしたのはパノラマだからというより、こう切りたかったらなんだと思う。自分が車の中から撮ってるから、こう見えている。写真は撮り手が「誰になって撮るか」が大事。自分が誰なのかが写ってくる。親の目だったり、恋人の目だったり、学者の目だったりする。これは視線が少しずれていることで、映画的なストーリーテラーの目になってる。もし彼がこちらを見ていたら、右側が冗漫になってしまうけれど、この視線だからこの広い空間がドラマチックになっています。こういうのも写真の楽しみのひとつだと思う。横長でも、タテ長でもいい。とても立体感のある写真でした。(小澤忠恭)
審査員講評
子どもの写真は難しいのですが、表情が大事だから、写真の上手下手はあまり考えなくて撮っていいと思います。でも、これは写真がうまい。顔の表情はもとより、手の表情もしっかり伝えてる。これ以上引くと迫力がないし、これ以上寄るとわからなくなる。何をどれだけ見せたら伝わり、それでいて迫力を壊さないかよくわかっていますね。光も非常に立体感があります。この立体感はそう簡単には出ないですよ。これは銀塩のころだったらすごく難しい露出です。最近はかなりカメラ任せでできるから、いい瞬間、いい切り取り方に集中することができます。ほっぺたが飛んでいるように見えますが、(コントラストが弱いと)眠くなるからこれでいいです。レンズがいいから目がキラキラですね。この肌の質感。“α”ならではですね。(小澤忠恭)