JUDGE 審査員
天体写真家
沼澤 茂美
Shigemi Numazawa
プロフィール新潟県生まれ。天体写真、天文・宇宙関連のイラストレーション作品を多数発表。「月刊天文ガイド」「月刊星ナビ」をはじめとした天文雑誌や一般写真雑誌、書籍で執筆活動、作品発表を精力的に行っている。NHKの科学番組の制作や海外取材、ハリウッド映画のイメージポスターを手がけるなど広範囲に活躍。著書多数。
コメント私達が地上でみる星空は場所と時間、さまざまな条件によって一期一会の唯物的な景観を作り出します。それは見る人の個別の心情によってさらに無数の物語が創造され、そして伝わってゆきます。星空風景に対峙し、思いを巡らせ、感じ取り、何かを伝えたいという衝動に駆られるとき、その時に感じる新しい感情みたいなものは、星空風景写真撮影の魅力でもあります。
星空に対峙する時の心構えや緊張感は昼の景色とは全く異なるものがあります。変えることのできない自然の摂理に向き合うことにもなります。たとえば星空が動いていること、これは、地球が自転している限り、避けられない制限を与えます。星を追尾すれば地上風景が動き、固定して撮影すれば30秒程度の露出時間でも星は線状に動きます。その制約の中で目にした光景を表現するには、多くの試行錯誤や自らの葛藤があるかも知れませんが、それを含めたものが星空風景写真の魅力と言えると確信しています。今日では星と風景を別々に撮影してパソコン上で合成して仕上げるという写真技法がかなり一般化してきましたが、それが撮影時の貴重な心のプロセスに影響を与えていないか、自然の営みに真摯に対峙しているのかと言ったことを今一度考えてみてください。
星空の景観は多彩であり、人々の心を喚起する光景は何も郊外の暗い空に見える星空だけではありません。街の光に埋もれつつも輝く星々、雲が流れる星空、電線のシルエット越しのオリオン座など・・あらゆるものは見た人の心情によって人生のかけがえのない一コマになり得るのです。そんな感動を探しましょう。そしてその思いを表現してください。それは素晴らしい光景だけではないかも知れませんがそれが見る人の心に共鳴すれば、写真の最も重要な役割と言える心のコミュニケーションが達成されたと言っても良いでしょう!
レンズ交換で表現を工夫してみよう!
~沼澤茂美氏によるレンズ別天体写真講評~
掲載作品:ソニーの写真投稿サイト
「αcafe」作品よりピックアップ
広角単焦点
広角ズーム
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作品名「ヴェールの彼方から」
使用レンズ FE 12-24mm F4 G -
Point
「ドラマチックな世界を表現」
「ソニー αおすすめレンズ」
望遠
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作品名「御蓋の山にいでし」
使用レンズ FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS -
Point
「さまざまな構図から作品を作りこむ」
「ソニー αおすすめレンズ」