- ~ FE 90mm F2.8 Macro G OSS ~
- 普段の撮影でよく使うのが、この中望遠マクロレンズのFE 90mm F2.8 Macro G OSSです。ピントが合った部分の精細な描写とぼけ具合の両立というGレンズの魅力をあますところなく発揮してくれます。例えば、この草花の作品の左右にあるぼけ描写ですが、これは手前の葉っぱの前ぼけと、後方の花の後ぼけが混じり合い、水彩画のような幻想的な雰囲気を表現できました。茎部分の二線ぼけもまったくないため、乱雑な印象になっていない点も見事です。( α Universeより引⽤)
審査員講評
審査員
並木 隆さん
(写真家)
ゲスト審査員講評
ゲスト審査員
柳 緑さん
(編集長)
柳 緑さん
(編集長)
応募作品はいずれも、花へのまなざしと撮影者の想いが伝わる力作ばかりで、選考は難航しました。
桜部門では、花の切り取り方の多彩さに魅了されました。桜の生命力を捉えた作品、柔らかな光に包まれたクローズアップ、静謐な夜桜の情景など、それぞれが異なる桜の表情を見せてくれました。 自由部門では、花と生き物の共演をテーマにした作品が印象的でした。満開の花のなかに現れたメジロや蝶、蜜を吸うハチなど、花の美しさに命が交差することで、視覚的な物語が生まれていました。 花の写真には、見る人の心をなごませ、前向きな気持ちへと導いてくれる癒やしの力があります。今回のコンテストを通じて、その力を改めて実感しました。大賞
ソニーポイント50,000円分
桜部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- 超広角レンズながらこの桜のボリュームはすごい!最高のタイミングでの撮影でしたね。超広角レンズは余計なものがたくさん入ってくるのでとっても難しいのですが、枝の重なりもなく桜と青空と白い灯台だけというシンプルな構成なのでとてもスッキリ見えますし、近・中・遠の桜を配置することで遠近感をしっかり出しています。また、桜のボリュームは左右非対称ですが、桜の少ない左側に青空の隙間と白い灯台を配置することで画面全体のバランスをしっかり取っています。何もかもが完璧で素晴らしい作品です。
自由部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- 垂れた枝一本だけにピントが合う被写体やポジションを探すだけでも大変なのに、枝の重なりもありませんし、唯一邪魔だなと感じる左上の幹に近い枝の太い部分はちゃんと前ぼけで隠していて構図力半端ない作品です。花のひとつひとつにラインライトが入る逆光を使って存在感を出しているのもいいですし、雰囲気に合わせてやや明るめの露出もいい選択だと思います。これで色を出すために暗めにしていたら前ぼけの濃い部分がグレーになって悪目立ちしていたでしょうね。この被写体をよく見つけて、よく仕上げたと思います。
並木隆さん賞
ソニーポイント30,000円分
桜部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- タイトルの「overlap」が物語るように、この重なり合ったぼけのなんと美しいこと。このぼけがあることで桜の花びらがどこまでも広がっていくような幻想的なイメージを作り出していますね。また、光の使い方も素晴らしい!逆光だけど日陰という桜の花びらの色と柔らかい雰囲気をしっかり演出できる光を選んでいます。これがちょっとでも強い光だと白く飛んでしまうんですね。前ぼけで隠しきれなかった右端がしっかり隠せていれば大賞になっていた作品でした。
自由部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- 前後ともにシャボン玉のぼけに囲まれたコスモスが小さくフレーミングしているにも関わらず浮かび上がって見えますね。これは暗い背景を選んでコントラストが強くなる組み合わせにしているのと、それらがキレイなぼけになるよう逆光を選んでいるからです。一度でもシャボン玉との組み合わせを試したことがあるとわかるのですが、画面の中にこんなにたくさんのシャボン玉入らないんですよ。ちょっとでも風邪が吹くと流れてしまうのでこのチャンスをしっかりものにした技量も素晴らしい。ちょっと絞り込んで四隅の口径食を目立たなくしているのも評価ポイントでした!
花時間特別賞
ソニーポイント25,000円分
+
『花時間マルシェ』で使える5,500円分クーポン
桜部門
- 審査員講評(柳 緑さん)
- まるで、春の風が吹いた音まで聞こえてくるような1枚。晴れ渡る青空を背景に、満開の桜と舞い散る花びらが織りなす情景は、爽やかさと詩情に満ち、見る者の心を優しく包み込みます。
桜吹雪が加わることで時間の流れを感じさせる動の要素が加わり、空の青と花の淡いピンクが美しく調和した色彩が、春のすがすがしさを際立たせています。画面全体に広がる開放的でのびやかな構図は心地よく、青とピンクの色のバランスも絶妙。自然の息づかいまでも伝わってくるようです。
自由部門
- 審査員講評(柳 緑さん)
- しだれ梅のやわらかな花々のなかを舞うメジロ。その羽ばたきの一瞬を見事に捉えた、春の命の躍動を感じさせる印象的な1枚です。
飛び立つタイミングを押さえた構図は秀逸で、背景のしだれ梅のしなやかな描写と響き合い、静と動のコントラストが際立っています。
黄緑色のメジロとピンクの梅という補色が美しく鮮やかで、春の華やぎを視覚的に伝える一方、縦に伸びる花枝が奥行きを生み、画面全体にリズムと深みを与えています。
繊細な観察眼と確かな技術が光る、花と命が交差する瞬間を情感豊かに切り取った作品です。
αユーザー賞
ソニーポイント30,000円分
桜部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- タイトルを見なくても夜空の星々を舞い散る桜に見立てている演出がひと目でわかるくらいインパクトがありますね。星はあまり詳しくないのですが夜空に見える光の帯は天の川ですよね?桜の枝の向きとこの筋が同じ方向なので画面の中の流れがとても自然になっています。桜に当たっている光もこの場所の照明なんでしょう。強すぎずで遠くにある桜も見えているのでボリューム感と遠近感の両方が出ていてます。ずっと見ていたくなる素晴らしい作品です。
自由部門
- 審査員講評(並木 隆さん)
- 反射する板の上に花を置いての撮影ですね。技法としてはみなさんが知っているものですがそこに大小様々なぼけをプラスしているのがこの作品のただならぬところでもあります。ぼけを作り出しているものはわかりませんが、光を反射して輝いているものが花を挟んで前後にあるからぼけの大きさに違いが出てくるんですね。こういう工夫が作品の雰囲気もレベルも上げるのです。また。白と青のみで統一した色づかいもすごくいいですね。透明感を感じる白い花の雰囲気をしっかり盛り上げています。
入選
ソニーポイント1,500円分
~ 並木隆氏に聞く ~
花撮影におすすめのレンズ
- ~ FE 135mm F1.8 GM ~
- この焦点距離のG Masterではずっしりとしたズームしかなかったので、望遠レンズよりもコンパクトな「G Master」レンズを使いたかった人は歓迎すると思います。最短撮影距離70cm、開放F値1.8で比較的簡単にぼけを作れるので、ビギナーにも使いやすいレンズだと思います。また、太陽を入れてもゴーストが目立たないのも特長ですね。こうした逆光にとても強いレンズなので花撮影では非常に重宝する1本ですね。( α Universeより引⽤)
予想していた以上にたくさんの作品のご応募に驚き、また作品レベルがとても高く審査が大変で嬉しい悲鳴を上げさせて頂きました。
桜部門で気になったのは欲張り過ぎな作品が多かったこと。桜以外にも美しいもの、気になったものがあれば画面の中に入れたくなる気持ちはすごくわかりますがそのせいで桜の印象が弱くなっているのは勿体なかったです。桜以外は入れるとしてもひとつだけに絞り込み小さめにフレーミングしてみましょう。自由部門では花に撮らされている感の強いものが多かったです。洋服を変えると印象が変わるように花も背景や前ぼけといった花以外のものの色やぼけ具合で大きく印象が変わってきます。それを決めるには花からどんな印象を持ったかを感じることが大切です。同じ花ならどこで咲いても同じです。みなさんの感じた雰囲気を作品にできるようこれからも頑張って撮影に励んで頂きたいです。
今回はありがとうございました。またの機会を楽しみにしております。