JUDGE REVIEW 審査講評
写真家
並木 隆
Takashi Namiki
こんなご時世の中、撮影もままならない状況の中でたくさんご応募していただきありがとうございました。正直、応募数は昨年よりも減ってしまうのではないかと思っていましたが、減るどころか増えてビックリでした。
こんな雰囲気を、こんなイメージを、被写体を見たときに感じた気持ちを表現するためにはどうしたらいいか。イメージ優先の作品が増えてきたのは嬉しかったですね。それが光の使い方なのか、アングルなのか、レンズなのか、それは表現によって大きく変わってきます。撮り方は表現方法のひとつ、そこから脱却できるようになるとみなさんの個性が作品にどーんと出てくると思います。
このまま収束していくことを祈りつつ、気を緩めずに写真ライフを楽しみましょう。
色の割合が二分割で一見平凡に見えますが、被写体の条件がかなり少なく、アングルも絶妙でかなりハイレベル。まず、ピントの合っているチューリップはひとつだけでかなり小さい。横並びに同じ位置の被写体があったらそこにもピントが合ってしまうので、小さく撮ろうとするほど難易度は高くなります。しかも、土の茶色が入っておらず、茎も曲がっておらず、背景も同色のチューリップのボケ。奥の方は違う色になりやすいんですよね。これで画面の色が上下にしっかり二分割になって、仕上げに被写体を中央に置いてバランスを取る。もう完璧です!!