JUDGE REVIEW 審査講評
航空写真家
伊藤 久巳
Hisami Ito
飛行機写真の要素は「綺麗」または「迫力」のどちらかに集約されると思います。今回も入選作品はもとより、応募作品すべては目の前の飛行機シーンに感動し、シャッターが切られ、綺麗な作品、迫力ある作品としてご応募いただきました。
選ぶ側としましては作品一枚一枚の「綺麗さ」「迫力」と対峙する楽しい時間でしたが、多くの秀作の中から決められた枚数を選ばなければならない苦しさもありました。今年の応募作品の傾向としまして、昨年よりも「迫力」側の作品が増えました。
それは、かつて一眼レフの独壇場だった「高速で飛ぶ飛行機の迫力の切り取り」というものが、ミラーレス一眼でも可能になった成果でもあると思っています。
多くの感動を作者の皆さまと共有させていただいたことに感謝いたします。
ありがとうございました。
写真家
佐々木 豊
Yutaka Sasaki
今回はご応募ありがとうございました。入選された方々おめでとうございます!!
皆様の力作を見させていただきコンテストを忘れて見入ってしまいました。さてコンテストではたくさんの作品の中から良い作品をセレクトしていきますが、まずは目に留まること、目立つことが大切です。
それはやはり完成度が高い作品であったり、今まで見たことのないような斬新な作品であったり様々ですが、ご自身の思い入れや苦労はなかなか第三者には伝わらないものです。それよりもその写真のどこに作品性があるかが重要です。
コロナウイルスの影響で撮影ができない状況が続いていますが、こういう時間を使って様々な写真などを見て撮影イメージを作ってみてはいかがでしょうか。
ブルーインパルスのT-4が、スモークオン、印象的な背面飛行のまま太陽へと接近していきます。機体の太陽に対する位置、スモークの角度、太陽の切り方がすばらしく、逆光の陽光にスモークがキラキラと光る様がアクセントになりました。
この作品の特筆すべきところは、機体が太陽へ突入するところを撮るというコンテをあらかじめ描き、5番機と6番機の交差シーンを捨て、最初からこの構図を狙ったところです。太陽を撮影するためには思いっきり露出を絞らなければならないのです。
もちろん、そこではハイライト部の白飛びに相当強いαのセンサーがとても有効だったことは言うまでもありません。
ただ、太陽の撮影は目や撮影機材を痛める危険性も隣り合わせのため、十分気をつけていただきますようお願いします。